キャリア迷子に贈る科学的な適職

ブログを移転してから初めての書評記事です。今回は鈴木祐さんの科学的な適職についてお話をしようと思います。

メンタリストDaiGoさんもたしか動画内でおススメしていた本です。

科学的な適職は4021の研究データを基に仕事選びの間違い、選び方などを解説してくれています。

私もそうなのですが、多くの方が仕事はどうしよう。自分には何が向いているのだろう?と悩んでいるのではないでしょうか?

そもそもなぜ人はこんなに仕事選びに悩むのでしょうか?

人類が仕事を選択できるようになったのはヨーロッパで能力主義の考え方が進んだ19世紀入ってから。それまでは生まれながらに仕事が決まっていました。原始時代は狩猟生活を、江戸時代は世襲制で仕事が決められていました。

人類史の9割が生まれながらに仕事が決まっていた時代でしたので、人間の脳はそもそも仕事を選ぶのに向いていないのです。

だからこそ仕事選びの際、多くの間違いを犯します。ではその間違いを7つ挙げていきます。

①好きを仕事にする

一つ目は「好きを仕事にする」です。スティーブ・ジョブスが「好きを仕事に!」とスピーチで話してから、「好きを仕事に」という考え方が世に広まりました。巷でも好きを仕事に!という感じの本がたくさん置いてあります。

就職相談でも好きなものを仕事にしてみるのはどうか?と提案されることもあるでしょう。

しかし、「好きを仕事にしている人」と「仕事はやっていくうちに好きになっていく」という二つのグループに分かれて追跡調査をした結果、後者の方が成長も幸福度も高い傾向であることがわかりました。

②給料の多さで選ぶ

次は「給料多さで選ぶ」です。私も給料の多さで仕事を選んだのですが、あまりにも自分に合わない仕事だったので、結局辞めたことがあります。

実際、研究データでも給料の多さと幸福度は決して比例しないことが分かっています。

年収2000万~3000万円が一番満足度が高いのですが、上り幅だけで見ると年収300万円~500万円から満足度の上がり方は鈍くなります。

しかも、給料が上がるより、「ちょっといつもより体調が良くなった」「好きな人と結婚できた」の方が満足度がはるかに高い研究結果も出ているそうなので、給料の多さで選ぶのはあまりよくないことは分かりますね。

そうは言っても生活できないくらい低い給料だと本末転倒なので、最低限このくらいの給料は欲しい!というラインは必要になるかと思います。

また、これは私の主観になるのですが、給料が高い仕事はそれなりに難易度も高かったり、責任が重かったりするので、いきなり行くのはしんどい気がします。スキルアップのためであればいいと思うのですが。

③業界や職種で選ぶ

今後、この業界が伸びる!という理由で仕事を決める方がいますが、それはあてにならないそうです。専門家が「この業界が伸びる!」という見解は、チンパンジーがダーツに的を当てる位の確立だそうです。

そう考えると本当にあてにならない気がします。私も今後IT業界が伸びる!と本で読んで4年前にエンジニアの道に入りましたが、AIが出てきたり、ノーコードでアプリが作れたりと、エンジニアがいなくてもシステムが作れる感じになってきているように感じます。それでもエンジニア不足は変わらないので、まだ需要はありますが。

④仕事の楽さで選ぶ

仕事が楽だからという理由で仕事を選ぶ方もいますが、例えばただボタンを押すだけの仕事をしたらどうでしょうか?

あまりにも退屈すぎて死にそうになりませんか?

忙しく働いている人より、楽な仕事をしている人の方が死亡率が2倍という研究結果も出ているので、いかに退屈が人を殺しているのかがよくわかります。

実際、仕事による適度な緊張感は満足度を高めるといいます。しかし、だからといって自分の能力より高い仕事内容だと鬱などになって健康を損なうし、自分の能力よりも低い仕事だと退屈すぎて死にそうになります。

だからこそ自分の能力より少し上くらいの仕事が一番満足度が高いのです。

⑤性格テストで選ぶ

世の中には数多くの性格テストがあるのですが、そのどれも適職と相関関係があることが科学的に証明されていないそうです。

⑥直感で選ぶ

スポーツのプロの世界でも直感で勝っている人もいます。経営者の中でも直感が当たって成功した人もいます。

しかし、直感が働くには条件があるのです。

それが、この3点。

・ルールが厳格に決まっている

・何度も練習するチャンスがある

・フィードバックがすぐに得られる

この3点を満たしていれば直感はとても良い結果をもたらします。

では、仕事選びに当てはめるとどうでしょうか?

仕事選びにはルールが厳格に決まっていません。

さらに転職なんて何度も練習するわけにもいきません。

そして、フィードバックが得られるのも何年後になるのか。

これらを考えると直感で仕事を選ぶのはかなりリスクのように感じます。

また、直感で仕事を決めた人より論理だてて仕事を決めた人の方が自他ともに評価も高く成果も上がっています。

⑦適性に合った仕事を求める

ここでストレングスファインダーについてお話をしようと思います。ストレングスファインダーとは、強みが分かる性格診断です。

リベ大でストレングスファインダーの解説をしているので、ストレングスファインダーとはなんぞや?と思った方はぜひこちらの動画をご参照ください⇩⇩

ストレングスファインダーは確かに強みが分かりますが、適職までは分かりません。

しかし、自分の強みは時として武器になるので、ストレングスファインダーをとっかかりにして自己分析をするのも方法だと私は思います。

ちなみに職場に自分と同じ強みの人がたくさんいると満足度は高くなりにくいので、狙うのであれば自分の強みが周りに少ない職場が良いです。

ここまで仕事選びにおける間違いを上げてきましたが、次に幸福度の高い職場の特徴を7つ挙げていきます。

①自由

まずは「自由」です。この自由とは裁量権がどこまであるか?です。

例えば、仕事の進め方を自分で決めれるか?時間や場所も決めることができるか?などです。この裁量権が多ければ多いほど満足度は高くなる傾向にあります。

ちなみに自由度は男女によって方向が違うそうです。

男性は仕事の進め方やスケジュールが自由に決められる仕事に満足感を覚え、

女性は時間や場所を自由に決められる仕事に満足感を覚えます。

かくいう私も新社会人になってから時間と場所が自由に選べる職場に憧れていました。社会人なりたての時は田舎に住んでおり、車が無いと通勤できないような場所でしたが、それでも通勤にかける時間がもったいないとずっと思っていました(-_-;)

②達成

「達成」は前に進んでいる感覚はあるか?です。

なかなか前に進んだという実感の無い仕事だとモチベーションが上がりません。人間は前に進んでいるという実感があるとモチベーションが高くなります。

プロスポーツ選手はモチベーションを維持するために小さな目標を作っているそうです。

③焦点

「焦点」は自分は攻撃型なのか防御型なのか?です。適職探しに向いている唯一の性格診断とされるのが制御焦点です。

人は攻撃型と防御型に分かれるという考え方で、主にコロンビア大学などで仕事のパフォーマンス効果が証明されています。

簡単に言うと、

攻撃型は目標を達成して得られる「利益」に焦点を当てて働くタイプ。

防御型は目標を「責任」の一種としてとらえ、競争に負けないために働くタイプです。

④明確

その仕事のなすべきことやビジョンが明確か?ということです。

例えば、会社がどんな価値観で動いているのか?タスクの明確化はされているか、人事評価はどのようになされているのか?などです。

⑤多様

多様は例えばプロジェクトの川上から川下まで関われるか?ということです。

人は同じ仕事を長年やっていると退屈してきます。最初はワクワクしていた仕事でも変化が無いままだとそのうち慣れてきてしまうのです。

慣れてきて、そのままスキルが上がらないからということで転職であったり、ヘッドハンティングされて別の会社に行く。のような人材の流出が発生します。

ピクサーも昔は優秀な人材がヘッドハンティングなどをされて流出しているという問題がありました。しかし、社員に「絵の描き方」から「実写映画の撮り方」まで複数のスキルを無料で学べるようにし、学んだことを現場で実践するような取り組みを行いました。

経営理論の観点では利益を下げかねない取り組みではありますが、このおかげで人材の流出を防ぐことができたそうです。

⑥仲間

仲のいい仲間がいるかどうか?です。学校でもそうですが、仲のいい人がいるとそれだけでモチベーションが上がります。

職場に友人が3人以上いる人は人生の満足度が96%以上上がるという研究結果も出ています。

私の経験談ですが、以前、システムの総合テストに短期間ですが、携わったことがあります。そこは納期が数か月と近々に迫っているのにテスト量がとても多かったです。ほぼ毎日8時近くまで仕事をしていました。最後には土日も含めないと間に合わないということで交代で土日も出勤していました。

傍から見たらとても大変で鬱にでもなりそうな職場ですが、人間関係がびっくりするくらい良かったので、大変でしたがとてもやりがいがありました。

一方、結婚前に商社の営業事務も従事したことがあるのですが、そこの仕事はスキルアップするにはとても良い仕事内容でしたが、人間関係があまり良くない職場でしたので、すぐに辞めました。

⑦貢献

「貢献」は他人への貢献が目に見える形になっているか?ということです。

アメリカでは幸福度が高い仕事は聖職者、理学療法士、消防員、教育関係者、画家・彫刻家だそうです。どれも他人への貢献が目に見える仕事です。

逆に幸福度が低い仕事は倉庫ピッキング、レジ打ち、工場での単純作業でした。これらはもちろん社会に貢献している仕事ではありますが、その貢献が目に見える形ではないので、幸福度が低いという結果になりました。

「人のためになることをせよ」とはキレイごとのようですが、脳科学の研究でも社会に役立つ行為をした直後は、ドーパミンがあふれ出すことが分かっているので、これは科学的に立証されたキレイごとではないでしょうか。

以上、仕事選びの時の間違い7つと幸福度が高い職場の特徴7つをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

私もついついやってしまう間違いばかりでした(^▽^;) この記事が転職・就活に悩んでいる方の力に少しでもなればうれしいです♪

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